移動平均線の基本
移動平均線とは?
テクニカル分析で最も一般的な指標。移動平均線を使用しているトレーダーは多く存在します。多くの人に使用されている指標ほど「トレーダーの心理」が反映されるため指標として機能します。
移動平均線とは、過去の一定期間から終値の平均を取り、その数字を結んでいった線のことです。
移動平均線の算出方法
例えば一定期間を5日に設定した場合、直近5日間の終値の合計を5で割ります。
<為替レート(USD/JPY - アメリカドル/日本円)>
1月11日の終値 120円
1月12日の終値 110円
1月13日の終値 130円
1月14日の終値 120円
1月15日の終値 110円
⇒(120円+110円+130円+120円+110円)÷ 5日 = 118円
この様に各終値を足して5で割った118円が1月15日時点の移動平均値になります。
さらに翌日(1/16)の終値が115円だとすると、翌日の移動平均値は以下の様に計算され117円となります。
<為替レート(USD/JPY - アメリカドル/日本円)>
1月11日の終値 120円 ← 5日間平均なので除外
1月12日の終値 110円
1月13日の終値 130円
1月14日の終値 120円
1月15日の終値 110円
1月16日の終値 115円
⇒(110円+130円+120円+110円+115円)÷ 5日 = 117円
この様に一定期間(今回は5日間)の中で、営業日が1日進むと再計算されて平均値が算出されます。その値をチャート上でつなぎ合わせて出来た線が「移動平均線」となります。
上記の例でいえば、5日間の平均値を出しているので5日移動平均線となります。
photo by 為替塾(中級編3)移動平均線について|FX 外為どっとコム
移動平均線の期間設定について
上記の様に一定期間の終値平均を求めるのが「移動平均線」だが、この「一定期間 」の値をどのように設定するのかは人それぞれです。(上記の例では5日間)
移動平均線では平均値を算出するための「期間設定」がとても重要です。
期間設定は確認したいトレンドの期間をもとに営業日ベースで求めます。日足の場合は、「5日」や「20日」という期間設定が一般的です、これは1週間の営業日が5日間 、1ヵ月の営業日が約20日間であることに由来しています。
移動平均線でよく使われる数字
日中足 12本・24本・48本等
日足 5日・20日・75日・200日
週足 13週・26週・52週
月足 12ヶ月・24ヶ月・60ヶ月・120ヵ月
他にも使われる数字
7、14、42
「7の倍数が相場の転換点をとらえやすい期間設定である」と説いたJ・ウェルズ・ワイルダーが提唱。
9、17、26
自然の摂理に適合した日柄としての三つの数字を重んじた一目均衡表。
5、8、13、21、34
期間設定を自分で調整・設定するのは難しいです。しかし、テクニカル指標はより多くのトレーダーが見ている指標ほどよく機能します。なので難しく考えずに一般的に使われている値を使えば問題ないです。
当然の事ながら期間設定する値によって分析結果が異なってきます。どの期間で移動平均線を見るかは、どのくらいの期間でのトレンドを知りたいのかによります。
期間設定が長い場合(長期移動平均線)
長期的なトレンドを暗示し、今後の変動を予測出来る。
「ダマシ」が少なくなるが、変化が緩やかになるため
認識の遅れを招き、売買判断が遅れるケースが増える。
期間設定が短い場合(短期移動平均線)
短期トレンドが抽出でき、直近の価格により近くなる。
「ダマシ」も多くなり、変化が素早く反映されるため
売買判断の誤るケースが増える。
長期や短期によって性質が異なることから、1種類の移動平均線に依存するよりも、複数の移動平均線の動きを観察した方が、より適切な判断に近づくことができると言えます。よって、それぞれの性質を利用し、3つの線「短期線」「中期線」「長期線 」に分けて組み合わせることでトレンドをつかむ方法が主流になっています。
(今後追記予定)
移動平均線の見方
移動平均線のシグナル(使い方)
移動平均線の特徴
移動平均線の種類
移動平均線まとめ