投機家にとって最大の敵は無知、欲、そして恐怖と希望の感情である。
photo by 相場師列伝:ジェシー・リバモア
投機家にとって最大の敵は
無知、欲、そして恐怖と希望の感情である。
ジェシー・リバモアとは?
ジェシー・リバモア(Jesse Livermore)は20世紀前半にウォール街で活躍したアメリカの著名な投機家、相場師で「ウォール街のグレートベア」という異名をもつ。
「グレートベア」の異名どおり1929年の世界大恐慌のさなかに、漫然と空売りをして一人勝ちを収めた希代の相場師。(空売りで世界恐慌の引き金を引いた人物とも言われている。)
数百万ドルという財産を築くこと4度、そして破産も4度。最後は4人目の妻に遺書を残し1940年11月28日にピストル自殺を図り、63歳でその生涯を終える。
投資家と投機家の違い
リバモアは壮絶な人生を送りましたが破産をしても何度も市場に返り咲き莫大な財を築いています。同じような人生を歩みたくは無いですが投機家としては非常に優秀だったのだと思います。
ちなみ「投機家」と「投資家」の違いはわかりますか?
投資家
将来性や成長性のある企業に投資し、企業が事業を拡大する事で、企業の価値(株価)を上昇させて、長期的に利益を得る。【会社と株主の利益を追求、更には世の中に価値を還元】
投機家
直近の市場状況から値動きの変動幅を予測し、短いスパンで運用(デイトレードやスイングトレードなど)をする事で短期的に利益を得る。【自己の利益を追求】
どちらが悪いと言う事ではありません。あくまでも思想の違いです。
投機家にとって最大の「敵」とは?
投機家と言っておりますが投資家にも通じるものがあると思います。では順番に見て行きましょう。
1.無知
これは当たり前ですね。無知な状態で市場に参加するのは自殺行為です。そしていくら勉強しても『無知の知』であることを自覚して常に勉強する事が必要です。
2.欲
もう少し利益を出したい。損切するのがもったいない。トレードしている際は色々な欲が出てしまいます。その欲に負けると結果的にトレードも負けてしまいます。欲があるのが人間です。その欲を理解し暴走させない様にする事が必要です。
3.恐怖と希望(感情)
恐怖から来る倫理的思考の欠如。自分にとって良い方向で考えてしまう希望的観測。これらの感情にとらわれては正確な判断が出来なくなります。
「もうすぐ上がるだろう」「さがるだろう」などの「だろう」と言う予測が根拠なく出て来たら注意が必要です。常に、本質を見極める力と冷静さを備えたメンタルが重要です。
心の三毒 - 貪・瞋・痴(とん・じん・ち)
実は仏教の世界でも同じような事が言われています。心の三毒「欲」「怒り」「無知」です。
貪(とん) =貪欲、必要以上に求める心。
瞋(じん) =怒り、自己中心的な心で、怒ること、腹を立てること。
癡(ち) =無知、真理に対する無知の心。「おろか」とも表現する。
似ているだけで紐づけるには少し強引な所があるかも知れませんが、本質はリバモアが唱えた投機家の敵「無知」「欲」「恐怖と希望」に通じるものがあります。
仏教ではこれらの三毒を無くせとは説いてません。これらを持ち合わせているのが人間であることを理解して、三毒が際限なく暴走してしまわない様に自分で「気付く」事が重要だと説いてます。
つまり自分を冷静に客観的に見る事が出来るクールな「頭脳」と穏やかな「心」が重要なのですね。